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不埒な夢。

女性向け小説ブログ。年齢制限作品込みにつきご注意願います。

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【クランチマガジン】エッセイ更新【日日是考日。】

クランチマガジンにて連載中のエッセイ「日々是考日。」を更新しました。
久しぶりに会った友達が、ぽろっと漏らした一言をきっかけにできた文章です。
どうぞ読みにいらしてください。
よろしくお願いします。

友達の話。

近況報告。

おひさしぶりでございます。
CRUNCH MAGAZINE(クランチマガジン)にて修行をしておりましたならば、
あっというまに一か月たっちゃって、またえっちな広告がドババーン!と(泣)

クランチでは最近、『日日是考日。』なるエッセイを連載しております。
本日新作を投稿いたしました。
夏休みの季節が近づいてくると、どうしても考えてしまうのが「死」にまつわるあれこれでして。

よろしければ、読みにいらしてください。
よろしくお願いします。


また、twitterでは先にお知らせしておりましたが、二冊目の電子書籍『息吹』と、三冊目『さくらちるまで』が、kindleでも配信されるようになりました。
こちらもぜひとも、よろしくお願いいたします。

クランチマガジンにて活動中。

連日雨が降っております。
電車賃節約と運動不足解消を兼ね、二駅分を歩いていたわたくしには鬱陶しい限りでございます。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて表題についてですが、少し前から新しく、クリエイター向けSNSにて活動をしております。
こちらは『CRUNCH MAGAZINE』というところで、ユーザーには賞レースに応募経験のある方も多いようです。
しばらくの間、投稿活動よりブログでの執筆に重きをおいて、かなり気ままに文章を公開していましたが、ここでちょっと武者修行をしようかと思い立ちまして。
最近は主に、星空文庫とこちらのサイトで活動をしております。
小説の他にも、エッセイや評論、コラムっぽいものなども書いておりますので、よろしければ読みにいらしてください。

灰谷のページはコチラ

【電子書籍配信開始!】さくらちるまで 第一章

さくらちるまで1s

三冊目となる電子書籍『さくらちるまで』の配信が始まりました。

・作品名:さくらちるまで~徒名草 春惜しむ月 手向草~ 第一章
・作者名:灰谷爽冶
・発売日:2014年6月3日
・販売価格:540円(税込)
・購入方法:各種電子書籍ストアにて購入可能
【6月3日現在配信中のサイト】
ケータイノベルズ
いまよむ for Android
Mobi-book
コープデリeフレンズ電子書店
Varsity eBooks
まんがこっち
honto(2Dfacto)
BOOKSMART Powered by Booker's
Books V
どこでも読書

【下記サイトは6月6日より配信開始予定】
本よみうり堂デジタル
エルパカBOOKS
コンテン堂
ひかりTV書店
紀伊國屋BookWebPlus
GALAPAGOS STORE
セブンネットショッピング
漫画全巻ドットコム
BookPlace
BookLive!
ブックパス
SonyReaderStore

※今後も配信サイトは更に拡大される予定です。

・出版社:アットマーククリエイト
・内容:
書道部員の女子高生と、担任教師の秘密の関係。
今となっては彼女だけが覚えているはずだったのに…?
記憶と今の間で揺れる、恋の目覚めの物語。

思いっきり青春っぽいものをと思い、桜のほころぶ頃に書き上げた作品です。
今回は長編の出版のお話をいただけましたので、こちらは第一章となります。
思春期特有の揺れる気持ちを、主人公と一緒にお楽しみいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします!

(SS)you take me alon...

振り向いた瞬間に視界を埋めた景色に、私は言葉を失った。
高くて途方もない青の真ん中に、長い長い道があった。
それは私が今までに歩んできた道そのものであった。
こんなにも遠くまで来たのかと、感慨に耽った。
眺める景色は決して平坦なものではなかった。
随分と険しいところを乗り越えてきたのだ、と思うと、自信がわいてきた。


もう少しだけ。
がんばってみようか。


自ずと前向きになりつつある己を認めながら、頭の片隅で思った。
どうして私はまた、後ろを振り返ってみようなどと思ったのか。
いつだって、興味があるのは過去じゃなくて現在と未来だったはずだ。
今が最善であるために、どんどん新しくなっていくこと。
それだけのために、ここまで歩いてきたはずなのに。

何かを忘れている気がした。
それはとても大きな、大切なものであったような気がした。
それと同時に、忘れなければいけない何かでもあったように思えた。
私は前を向き直った。
寂しさがうすら寒いすきま風になって、心にあいた穴を通り過ぎた。
後ろと同じ景色が広がっていた。
後ろと同じくらいに、長く長く道が続いていた。
まぶしい青は途方もなく高く、遠かった。
少し尻込みして、不安になって、なんとなくこぶしを作って。
そうして私はまた、足を前に踏み出した。


ひとりでいくよ。


誰にともなく、そう呟いて。




この世に「いのち」を降ろす時、神様はその新しい「いのち」に、しばらくの間道先の案内人をつけるらしい。
「らしい」というのは、それが、私自身も人づてに聞いた情報であるからだ。
曰く、かの人物は「私の」案内人なのだそうで。


しばらくの間はきみといるよ。
きみがいろんなことをわかって、大丈夫だってなるまでは。


案内人の仕事は、長い割に後ろが詰まっていて大変らしい。
私のあとにも、何人もの案内人を務めなければならないとか。
その頃の私は、まだやっと、自分でタッパーをあけておしゃぶりを取り出すことができるようになったばかり。
ちゅぱちゅぱっ、と口さみしさを紛らわせながら見上げると、かの人は他の大人と、おんなじように笑っていた。

かの人はとても面倒見がよかった。
デパートで迷子になったときにはすぐに母親を見つけてくれたし、海で溺れかかった時には岸まで私を引っ張ってくれた。
上級生たちにいじめられ、ひとりぼっちで帰る通学路では、ずっと手を握っていてくれた。
どの時にも私は少なからず泣いていて、でもかの人は決して、私の涙を拭わなかった。
ただ私の隣にいることで、私が自分で泣き止み、自分で涙を拭うことができるようにしてくれた。

物心がついてからしばらくの間も、かの人は私の傍にいた。
姿が見えない時でも、「いるんでしょ」と空間に向かって話しかければ、どこからともなく現れて、にいっ、と笑って見せるのだ。
初めての挑戦をするときや、知らない場所に行くときには、私は必ずかの人を呼んだ。
当時の私は、本当ならもう、案内人は不要となるはずの年齢だったらしい。
でもかの人は私に甘かった。
はじめは「一人でおいきよ」って言うくせに、「一緒にきてよ」と言われると断れないのだった。
おかげで私は、いつでも平気だった。
学校で友達ができなくても、仲間はずれにされても、共働きの両親が、遅くまで家に帰ってこなくても。

初めて男の子と付き合った、中学三年生。
急に恥ずかしさを覚えた私は、しばらくかの人を呼ばなかった。
そのままいなくなってしまうのかと思ったけれど、その子が他の女の子を好きになったというタイミングで、かの人はまた現れた。
泣きすぎて瞼を腫らしまくっていた私は、おかげでやっぱり、その涙を自分で拭った。
いつまでいてくれるのかとかの人に聞いた。
これから先、誰も私を好きになってくれない気がして。

ずっといるよ。

穏やかな声を置かれて、私は安心してその夜を眠った。
別の子と付き合うことになった時には、また恥ずかしくなったのだけれど。


二十歳で社会人になり。
二十五歳で男性と初めて関係を持ち。
二十九歳で転職し。
三十二歳で婚約破棄を経験し。
三十五歳で結婚して。
四十一歳で離婚した。


急ながらんどうが空恐ろしくなって、私は遠いところに旅に出た。
リュックを背負って、ひたすらに歩いた。
隣にかの人を引き連れて、しばらくはお互いに、黙っていた。
舗装のない道のりは、慢性的な運動不足の身体にこたえた。
じきに私の息は切れ始めた。
立ち止まり、両ひざに手をついて息を荒げる回数が増える。
疲労とやるせなさを溜め込む私の手を、いつからかかの人が握って、先導するようになっていた。
大きくて乾いていて、私のそれと同じくらいのぬくもりをしていた。
何となく、ごめんねと謝った。
かの人は、ううん、と返したきりだったが、いくらか歩んだあたりで、唐突に言った。

つらいね。

私は頷いた。
涙が頬を流れた。
子供のようにしゃくりあげながら、私は先に歩みを進めた。

でも、えらいね。

労いの言葉が、ぼろぼろになっていた心にしみた。
えらくなんかない。
私は、いつだってだめだ。
人並みのことが、人並みにできない。

そんなこと、ないよ。
きみはいつでも、ひとりでちゃんと頑張ってきたんだから。

私は否定したかったが、できなかった。
かの人の顔を見上げたまま、返答に詰まってしまった。
私はひとりなんかじゃなかった。
いつだって、目の前の存在が傍にいてくれたから。
でも同時に、ひとりだったのかもしれないとも思った。
かの人のことが見えているのは、私だけ。
私以外の誰も、かの人の存在を認識している人物はいなかった。


きみはもう、とっくに大丈夫なんだよ。


軽く俯いたまま、こちらを見ないままだったかの人が、ここでやっと私を見た。
私を見て、笑った。


ほら、うしろ。


背後に視線をやる、かの人に私はつられた。
振り向いた瞬間に視界を埋めた景色に、私は言葉を失った。
高くて途方もない青の真ん中に、長い長い道があった。


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